
村松賢一×小林大輔×鈴木心 「写真道場は、打ち合わせもライブだっ!」の巻
10分で撮影した写真で競え!「写真はライブだ!」をテーマに、毎度予想できない展開が、本人たちはもとより、お客さんまでハラハラさせる写真道場。そこで本日は、6/29に控えた3回戦を前に、2回戦で熱き戦いを繰り広げた、村松賢一、小林大輔、鈴木心(神藤剛は欠席)による感想戦と次回の打ち合わせを、写真館スタッフゆもとがリポート! 遊びも仕事もない。「ぼくたちは写真がすきなんだ」という彼らが語る「写真道場」の面白さは、きっとそのまま「写真」の面白さだ。
12年前から変わらない真剣勝負
鈴木:写真道場、昔やってたボーリングの感じしなかった?
小林:した!
村松:そうだね。
湯本:昔みんなでボーリングやってたんですか?
村松:そう、アシスタントのとき、いつも心が「ボーリング行くぞ!」って言って。
鈴木:よく仕事のあと朝までやってたよね。5対5とかのチーム戦だから、結構責任あるんだよ。チームの責任をそれぞれが負ってやる、みたいなのは、今の仕事観につながってるかもね。あの頃は、写真じゃ戦えなかったの、みんなまだ未熟だったから。今は、写真がそのときのボーリングみたいな(笑)。「おい、心、もう一回投げろよ!」「ターキー出せよ!」みたいなそういうプレッシャーを与えられてる感じに似てた。
鈴木心が、2人と真剣勝負をしたい理由**
小林:写真道場って、スタジオマンは見て面白いのかな。だって毎日スタジオで撮影見てんじゃん。
鈴木:10分で競うっていうのもないし、3人のフォトグラファーの現場に同時に入ることもなくない? でも確かに、写真学生とスタジオマンのご来場者は少ないの、高いから。だから次は入場料を2000円にしました。
湯本:実際、フォトグラファーから見て、スタジオマンが来て勉強になるものだと思いますか?
鈴木:思う。賢ちゃんが、自分の番で姿見を並べながら「これ、相当奇抜なセットになる」って言ってたでしょ? フォトグラファーって、お決まりのライティングがあって、こういうときはこう、こういうときはこう、って3パターンくらいで回しちゃうひとも多いけど、2人にはそういうセオリーがない。そういう奇抜さ、毎回新しい挑戦を見られる機会は、他のフォトグラファーの現場ではなかなかないと思う。
湯本:オーディエンスの期待に応えるためにちょっと奇抜なことやってみよっかなって感じではないんですね!
村松:全然ない、俺はあれが普段通り。
鈴木:じゃなかったら、突然この場にきてそんな奇抜なことできないでしょ。いっつも変なんだよ。
村松:別になんのライトでもいいかなって思っちゃってるところあるから。どれかが正解と思ったこともない。
鈴木:道場の日も言ったんだけど、元々蛍光灯を使うっていうのは、俺の考え方にはなかったわけ。けど、賢ちゃんが蛍光灯使ってるとか、大ちゃんがパラ使ってるとかっていうのをアシスタントのときに見て、「ああこういう写真が撮れるんだ」って知って試してみたりしてた。そういう驚きが、2人の写真にはすごく多かったよ。
村松:けど、俺らもそれを誰かから学んでるだけだからね。
鈴木:だからこそ、この2人って撮ってるところを見られるのに抵抗がないんじゃないかって勝手に思ってて。それは、撮影のときの気持ちがオープンだから。「恥ずかしい」より「盛り上げたい」っていう気持ちを感じる。そういう盛り上げ方も、俺は2人に学んでるの。ボーリング行ってもこの2人が盛り上げてたし。そういう気持ちとか人間性があって、技術があって、写真がある。その気持ちの部分がない人って意外と多いと思う。場に対しての気持ちね。
村松:そうだったかな…。酔っ払ってたからじゃない?
湯本:互いに真剣勝負でありながら、同じ場を盛り上げるチームメイトとして声をかけるような気持ちもあり、っていう「場」への気持ちが、アシスタント時代のボーリングも、普段の撮影現場も、写真道場も変わらないんですね。さすがに撮影現場では酔っ払ってることはないでしょうけど(笑)
酔っ払っていたと言えば、あのミスは…
(小林さんが8×10で撮影した際、撮影のアシストをしていた村松さんが誤って撮影済みのフィルムを渡し、意図せず多重露光が起こった件について、動画で振り返りながら原因を検証中)
村松:俺のせいにされてたけど、撮影済みのフィルムを同じところに置いてあるのがおかしいよ。
小林:賢ちゃん、冷静に見てたら分かるよ…
村松:俺が冷静じゃなかったってこと!?
小林:俺、終わったフィルムは1枚だけプロセッサーの上に置いたんだもん。
鈴木:そうそう、そうなの。これ動画見るとね、撮影終わりました! ってプロセッサーの上に1枚しかないのよ。
村松:俺は、プロセッサーの上に次のフィルムを用意してくれたんだと思った。
小林:いやなんで俺が気遣ってそんなことしなきゃいけないのよ!
鈴木:でね、この賢ちゃんの往生際が悪い…「ここに置いとくのがおかしい」って声が散々入ってるのよ、映像にも。でも、見てたひとは全員分かってたよ、「お前が悪い」って。
村松:じゃあ酔っ払うの、もうやめよう。
小林:いや、いいよいいよ。それはいいよ。
鈴木:これ面白いのは、言い争って、大ちゃんは速攻で「すみません!もう一回撮ろう!」「失敗したときは、すぐ謝ったほうがいいです」ってみんなにも謝るんだよね。なのに賢ちゃんは最後まで謝んない。いや俺は悪くない、俺は悪くない、ってずーっと言ってんの。
村松:それはやっぱり酔っ払ってたから…
湯本:今シラフで振り返ったらやっぱり俺が悪かったなって思います?
村松:…いや全然思わない。
小林:あのね、逆の立場だって考えてみて? 大変なことになってんぞ。「なんでだよこれー!!!!!」つって。
村松:いいね、やっぱり酔っ払ってるってすごいね。
鈴木:やっぱり酔っ払ったほうがいいよ。もう毎回飲んべえキャラでいこうよ。
村松:だんだん洗練されていくより、ちょっとミスってるくらいのほうがいい。ちゃんとやるなんかもうあれじゃん、普通になっちゃうじゃん。
酔っ払っていたことをしきりに気にしながらも、結局開き直る村松さんと、いいよと笑って許す小林さんに一同大爆笑。失敗もライブのうち! お客さまも、8×10の多重露光なんて見たことがない方がほとんどだったはず。結果オーライということにしましょう。
打ち合わせは、聞き流すのも作戦のうち!
湯本:大輔さんは、8×10でやるぞ! って最初から思ってたんですか?
小林:そう、みんながあんまり見たことないだろうから…俺は元々8×10好きなの。で、賢一も持ってるから、打ち合わせの時に8×10対決にしようって言ってたんだけど。
村松:大ちゃん偉いよ、そういうとこちゃんとやって。それでダブルエクスポージャー(多重露光)だよ。俺カメラ1台しか持っていってないもん。
鈴木:でも賢ちゃんだってちゃんとジャンクのレンズ持ってきてたじゃん。
村松:3000円くらいのやつだよ。フジヤカメラにちょっと行って買ってきただけ。
鈴木:これのために行って買ったんでしょ?
村松:1回目だからよ。だってこれで終わりだと思ってたから(笑)。
湯本:皆さんやっぱり事前に作戦があるんですね。
村松:作戦っていうかさ、そもそも俺はこの日アイランプ一灯しか使えないと思ってたの!
小林:何回も言うけどさ、心は事前に「なんでもいい」って言ってたよ。
鈴木:打ち合わせで言ってたよね、なんでもいいんだよって。“前は”アイランプ一灯でやったけどね、って言っただけ。
小林:なんか縛りがあったほうがいいんじゃないかっていうのは言ってたけどね。
ルールはおさらいしましょう
鈴木:俺の10分で4人撮影はなかなか過酷だったよ!?
村松:いやでも心が主役のイベントだからさ。
鈴木:あの流れは大ちゃんが作ったよね。撮られたいお客さん、2人いるなら2人とも撮るよって言ってさ。賢ちゃんは、次も1番手がいい?
村松:いや順番はなんでもいいよ。でもさ、あんまり用意するより、その場でお客さんに聞きながらやったほうが面白いんじゃないかと思うんだよ。
鈴木:待って待って! 賢ちゃん、写真道場にはそもそも「撮られたいですって手を挙げたお客さんの要望を聞いて、それを叶える」ってルールがあるのよ。
村松:ああ、そうなんだ!
鈴木:いや当日も何回も言ってるからね!「賢ちゃん、ヒアリングしてないですよ、お客さんの要望を聞きましょう」って。そしたら賢ちゃんが「そんなのいらねえ!」って。「いらねえじゃなくて!」って言ってるのに。それで司会の佐野さんが「心と心で繋がってるんですね」ってコメントして場を収めたんだから。
小林:俺は要望聞いたよ。「マタニティーです」って。だから「オッケー!」って言って撮った。
鈴木:それも要望じゃないでしょ!(笑)じゃあもう一人の男性の方は?
小林:…聞いてない。いやもうダブルエクスポーズで吹っ飛んだもん。
村松:要望を聞くんだな…そうだった、忘れてた。
鈴木:あと、今度は撮る前と撮った後はちゃんと解説しよう。
そして伝説へ
村松:で、第3回は何やる?
鈴木:だから、撮られたいって手挙げてくれたお客さんの要望を聞いて、どんな要望にも対応できるようなカメラを持ってきて。あと、次回はスタジオを3時間使えるから、前半を物撮りで、後半を人物撮影ってしてもいいかな、と。物撮りを見たいっていうご意見もあったのよ。確かに、物を撮るときと人物撮るときのメンタリティーってそんなに変わらないじゃない?
小林:いや変わるよ。物は10分じゃどーにもならんよ。本当に蛍光灯で真俯瞰とかならいいけど。
村松:10分は無理。
鈴木:じゃあ人物撮影で2回転? 最初は1人ずつが撮影して、後半は1on1みたいに、2面に割ってリアルタイムでやるとか。
村松:まあなんでもいいけどさ…何をやるんだっけ。
一同:笑
小林:賢ちゃん、どこいってたの? 魂持ってかれてない? びっくりしたわ。
鈴木:神社の前だしね…
村松:だからもう、とにかく10分で写真撮ればいいんでしょ!
鈴木:お客さんの要望は聞いてね。
最後は写真館で記念撮影!
カメラを持っているときも、持っていないときも、ライブ感溢れる掛け合いで終始楽しそうなお三方ですが、帰り際、ポロリと次回の作戦を口にする村松さんに、「うわ、もう考えてる〜!」と鈴木が焦る場面も…「我こそは!」と思っている参戦予定のみなさま、ぜひ3人を困らせるとっておきのご要望をお持ち寄りください! これは間違いなく、巻き込まれに行った者勝ち!
モデルは来場者のあなたです!
写真道場、第3回もご来場お待ちしております〜!
(記事:湯本愛 写真:鈴木心写真館)
「写真はライブだ!!!」写真道場#3
〜ついに、今回が最終回!?写真道場、最終決戦〜
出演:鈴木心 村松賢一 小林大輔 神藤剛(予定)
日時:18年6月29日19:00時
開場 19:30開演 22:00時終演予定
場所:代官山スタジオ
東京都目黒区 中目黒1-2-17先着
定員:30名
参加のお申し込みはこちら!
入場料
一般:5000円|1人
一般2名以上:4000円|1人
学生&スタジオマン:2000円|1人
(学生証、所属スタジオを確認させて頂きます。)
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